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2016年8月12日 (金)

小泉八雲と怪談

2016年7月16日に、「小泉八雲記念館」がリニューアルオープンしたらしい。ここには、以前、旅行した時に訪れた記憶はあるが、残念ながら、そんなに強い印象はない。多分、さらっと見て歩くので終わったのであろう。小泉八雲、すなわちラフカディオ・ハーンの作品には、子供のころ、怪談として、いくつかの作品に接したが、現在は彼の作品の蔵書はない。

キリスト教を嫌い、それ以前の多神教世界への共感を示したことは、彼の体内に、ギリシャの血やアイルランドの血が流れていることも関係しているのかもしれない。彼が日本に来て、日本の怪談話に興味を持ったのは、そういうことと強く関係していると指摘されている。

今年の夏は大変暑い。クーラーを利かせ過ぎるのも体に悪い。心頭滅却すればというのも、まだまだ未熟な流風には、ちと難しい。こんなことを言っていたら、一生、できないのだろう。そこでは、怪談話がちょうどいい。

例によって、記念館のこともあり、先日、書店をうろうろしていたら、八雲の曾孫(ひまご。すなわち孫の子)の小泉凡著 『怪談四代記~八雲のいたずら~』(講談社文庫)を見つけた。ちょうどいいと、これを買い求めた。

これには、いくつかの実際、経験された怪談話が載っているのだが、それ以上に人間の縁の深さを感じさせる。彼は生まれてから、数々の転居を繰り返している。そして、ハーンの数々の居留地では、彼は有名で、子孫の凡氏が訪問すると、多くの人々が水を吸うように集まってくるという。

そして、小泉八雲一族は、カンが鋭いようだ(*注)。今でも、霊感を強く感じる人はいるが、彼らも、その一族なのだろう。だから、怪談話が自然に受け入れられる。一般人は、疑心暗鬼で聞いている。そして、昔から、そういう人々が伝えてきた話を八雲は集大成したのも確かだろう。

ちょっと怖い話もあったが、著者の勘違いという感じのものも含まれていた。怪談集というより小泉家の不思議の歴史と変遷というような感じ。これを読んでも、暑さはひかないかもしれないが、今の時期でも、さっと読める内容だ。

*注

著者も記しているが、子供は数えで7歳、満で5歳くらいまでは、誰でもというわけではないが、比較的霊感が働く。ただ、それも大きくなるにつれて消えていく。

*追記

ついでに記すと、著者の名前「凡」とは、ボナー・フェラーズから祖父が名づけられたものらしい。ボナー・フェラーズとは、マッカーサー元帥の軍事秘書で、昭和天皇を戦犯から救った将校。

戦前、学生時代、米国に留学していた日本人女性と接し、日本文化を学ぶことになる。そして、来日した時、日本文化を知るには、小泉八雲を読めばいいと言われ、親日家になったという。

その彼が戦後、マッカーサーに無意味な混乱を避け、天皇を民主的に生かすべきと進言することで、昭和天皇が救われる。小泉家とボナー・フェラーズは、そういう関係でつながり、孫に、名前をもらうことになったという。

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