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2016年8月28日 (日)

「専門職大学」の創設に関して

高校の普通課程の形骸化、および総合大学の価値低下に伴い、新たな存在価値を求められている。少し前の報道(2016年5月30日付)だが、中教審は実践的な「専門職大学」の創設を答申されている。覚えとして記しておこう。

特に、IT、観光、農業など成長分野の現場で、牽引役の人材が必要だとしている。中教審は、そこで即戦力となる人材育成をめざし、実践的な職業教育を行う新しい高等教育機関の創設(大学制度に位置づけ)を答申している(*参考参照)。

これは、大学制度の条文には、「職業または実際生活に必要な能力を育成する」を主な目的とすることもできると定めており、矛盾はない。ただ短大扱いとなっているが、新機関は、4年生制課程と、短大相当の2,3年制課程としている。

また対象は、工業高校などの専門高校を含む高卒生だけでなく、専門学校生や大学生、社会人も受け入れる。既存大学より実践を重視し、産業界や地域の関係機関と連携してカリキュラムを編成する。

その上、インターンシップなど企業内実習は4年制課程で600時間以上の履修を義務付ける。また実習科目が卒業に必要な単位の3~4割以上占め、実践的学習を重視する。

教員は、企業などで5年以上の実務経験がある教員を全体の約4割以上にする。更に従来の大学より小規模で開設可能とするため、敷地面積等は弾力的に対応するようだ。

IT時代で情報が一般化する中、普通高校も、あるいは文系総合大学も、最早、教育内容に方向性がなく、その存在価値に疑問が持たれている。また専門高校は、更に上を目指す実践的な教育機関がなく、また転換期の企業の社員の再教育機関も不足している。

そういう意味では、「専門職大学」の創設は理に適っている。これに関しては、拙ブログで、提案していたこと重なるので、概ね賛成できる。ただ、IT、観光、農業など成長分野を対象に考えているようだが、もっと広範囲に対象を広げるべきだろう。また高専の扱いをどうするのかも調整・考慮する必要がある。それに教職員のレベルアップを図る再教育機関としても可能だろう。

*参考

中教審の答申の内容

◎実践的な職業教育を行う新しい高等教育機関を創設。2019年春の開学を目指す。

◎名称は、「専門職大学」、「専門職業大学」などとする。

◎大学制度に位置づけ、大学相当は4年制、短大相当は2,3年制の課程とする。

◎高卒生だけでなく、大学生、社会人などを受け入れる。

◎成長分野の現場で、牽引役となる人材を育成。企業内実習は4年制課程で600時間以上の履修を義務付ける。

*追記

人材育成には、T字型人材が必要と言われる。すなわち、専門的能力に加えて一般教養。よく専門的能力だけを磨いても人材は育たないと言う人たちがいるが、そうではあるまい。専門性を磨けば磨くほど、一般教養は必要になってくる。それは一生を通じて自ら学ぶものだろう。学校教育は、その案内(ガイダンス)だけで十分だ。後は本人次第だ。

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