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2016年9月 3日 (土)

姫路の中央卸売市場の移転は大丈夫か

現在、東京都では、築地市場移転問題で揺れている。2020年の東京オリンピック開催のため、豊洲市場への移転を決断したのだろうが、そのやり方が拙速で、各種問題を引き起こしている。例えば、当初計画以上の異常な予算計上、使い勝手・運営の問題、地下水汚染の問題等だ。

なぜ問題になったかと言えば、それは、やはり東京オリンピック開催に向けて逆算した日程計算だろう。そのために業者に急がせ、余分なコストをかけている。ただ、そのコスト増の中身が問題で、業者との癒着、献金絡み等いろいろ噂されている。

大体、オリンピック自体は2週間余りの催し。それに対して、市場は、その後も、ずっと都民に食材を提供していくわけだから、どちらが大事かは明らか。つまらない国のプライドが、都民の食を危うくしかねない。そもそも東京都の地下水は、福島原発事故以後、まだ危うい状態が続いているのではないか。

このように政治、行政の都合で、物事を進めてしまうと、問題が起こりやすい。やはり情報公開して、様々な課題をあぶりだして、それをオープンに一つ一つ詰めていく方が効率的だと言える。行政に都合のいい専門家を集めての審議会だけでの議論では、最早時代遅れ。内々で不十分な情報の下で、いろんなことをやっても、いずれ住民の不信感を買うだけだろう。

さて、姫路市でも、中央卸売市場(延末)を移転させ、新市場として出光興産兵庫製油所跡地(白浜町)に2021年度の開設を目指すようだ。東京の築地とは比べ物にならないが、食を扱うので、市民としては大変気になる。それは跡地から有害物質が検出されているからだ。

跡地では、これまで、土壌汚染対策法の指定有害物質に指定されているベンゼンとヒ素が検出されている。それは国基準の最大30倍のベンゼンと最大5.4倍のヒ素を検出している。

土壌対策専門家会議では、「飛散や流出防止の対策をすれば安全性は確保される」としている。また地層から確認された油分について環境への影響はないとしている。果たして、本当に大丈夫なのだろうか。

姫路市は2017年度に汚染土壌の除去や地下水の浄化に取り掛かるというが、慎重に事を運んでほしい。卸売市場の跡地の再開発は、どのようになっているのか知らないが、それを優先させて、拙速にやって、東京の二の舞にならないように願いたい。

*追記

もし移転で市民に不信感を与えてしまうと、より魚離れを促進することになるだろう。これは魚価は不安定になり、漁業者にとっても最悪だ。

また、今はネット時代だから、料理関係者も「市場抜き」が流行りとなるだろう。市場は目利きしてくれるとは言うが、それなら目利きを漁場に派遣すればいいという発想になるからだ。そのような専門業者が現れるだろう。

*2016年9月7日追記

姫路市は9月6日に、土壌汚染をめぐり、調査費2億円を追加する補正予算予算案を発表した。2016年度の当初予算では、市場の基本設計費と土壌汚染調査費として、約1億5千万円計上したが、不足が発生。綿密に調査して、十分な対策を講じてほしいものだ。

*2016年9月9日追記

ある報道では、豊洲市場への移転により、管理経費等が現在の3倍以上になり、最終的には3年で破綻すると言われている。同様の事は、中央卸売市場の移転でも、同じことが起こらないとは言えない。

*2016年9月13日追記

姫路市は、中央卸売市場の移転予定地の出光興産兵庫製油所跡地から有害物質が検出された問題で、特定有害物質ベンゼンの除去費用として約5億円の拠出見込みを明らかにしたようだ。豊洲の例もあるので、万全の対策をしてもらいたい。

*2017年2月7日追記

東京都では、豊洲新市場への移転が難しくなりつある。やはり移転先の選定を誤ったということだろう。東京ガス自体、市場の移転先としては望ましくないと指摘していたのに無視した結果だ。

姫路の出光興産兵庫製油所跡地への中央卸売市場の移転も再検討が必要かもしれない。出光興産兵庫製油所跡地は別の使い方を考えればいい。例えば、各種展示会を主体としたコンベンションホールが望ましい。大阪市も神戸市も、コンベンションホールは海側に作られている。現在、計画されているJR姫路東側のコンベンションホールは、駐車場も搬入経路狭く、十分機能しない可能性がある。

*2017年2月25日報道

第八回専門家会議会合。国の基準値を超えるベンゼンの汚染範囲が予定地全体(558区画)で41区画と報告。土壌汚染対策が必要なのは、40区画で面積は約4000平方メートル。土の量は約9400立方メートル。ヒ素や鉛などについては、「飛散や流出防止の措置で安全性は保たれる」としている。

*2017年3月7日報道

新市場移転着工が1年程度、延期となった。国による補助金が見送られたため。

*2017年3月25日報道

第9回専門家会議会合。市は、汚染が確認された40区画で、汚染濃度に応じた主に2種類の浄化処理方法を提示、専門家が了承。具体的には、汚染濃度が高い区画では、土を掘って、浄化処理を行い埋め戻す方法を提示した。低濃度の区画では、土中に空気を注入し、汚染物質を吸引する方法を提示した。専門家は、法律上、求められる対策としては十分としている。また地下水については、中長期的に浄化作業を行うよう促した。

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