« 「猫の草子」を読む~『御伽草子』より | トップページ | 姫路の中央卸売市場の移転は大丈夫か »

2016年9月 2日 (金)

地元本社企業を大切に

姫路で生まれた企業でありながら、時々、本社を他所に移動する企業がある。本社を移動させることに、そんなにメリットがあるのだろうか。

情報化社会以前であれば、例えば、東京に本社を構えることは、官庁から様々の情報を得るのに便利と言われた。しかしながら、今は情報社会。東京の官庁に行って改めて情報をとる必要はない。確かに中央官僚の考える、これからの政策とか、政治家に陳情するのには便利かもしれない。

だが、今は、彼らによって経営が左右されることは少なくなっている。あるとすれば、それは幻想だろう。あるいは献金と引き換えにビジネス獲得を考えているのかもしれないが、もうそんな時代でもあるまい。

少し前に、京都の大企業の経営者が面白い話をされていた(*参考)。概要は次の通りだ。

一、わが社は、東京に本社を移すことなど考えたことはない。大阪の企業が本社機能を移す動きはあるが、京都の上場企業は動かない。

二、東京は、世界の都市の一つに過ぎない。2時間で行ける海外出張のようなもので、得られる情報も、それらの都市と変わることはない。

三、京都にいた方が、各業界の選ばれた人と会えるので、最新の情報が得られる。

四、日本では、ブランド力があり、従業員が多く、売り上げ規模が大きい会社が良い会社と見られている。東京も、その傾向が強い。

五、一方、京都では、従業員30人足らずでも300年続いた和菓子店や呉服店、料亭の経営者が会合で上座を占め、ずっと下座に上場企業が座ることも珍しくない。継続は力なりと、という暗黙の序列がある。

六、京都には、独創的で本物であれば会社が小さくとも認められる価値観があるが、東京にはない。東京はポピュリズム(大衆迎合主義)の塊だ。まず有名なことがとりあえず大事。支持の多いことが価値のすべてになっている。

七、逆に京都人が一番嫌うのがポピュリズム。「迎合」や「なびく」は恥だと考える。バブルがはじけた時、潰れた会社がほとんどなかった。流れに任せて投資をせずに、本物にしか興味を示さない京都人の気質を象徴している。

八、経営についても、京都では他社をマネするのは経営者の恥と考えるが、東京の企業は儲かると思ったら何でも参入する。京都の企業は、それよりも一番にこだわる。

九、今の東京では、多くの雑音から正しい信号を取り出すことが難しい。人や情報が集まり過ぎているために、ポピュリズムに走らざるを得ないのだろうか。

播磨地区や姫路市の企業は、京都と環境は異なるので、一概にすべてに賛同できないと言う経営者もいるかもしれないが、十分、参考になる意見だろう。播磨や姫路で生まれた企業なら播磨や姫路の本社で頑張る意味はあるのではないか。姫路から世界を見る発想が大切だ。古い常識は捨てた方がいいかもしれない。

その上で、市民も、もっと地元本社の企業への理解を深めることも必要だろう。企業と市民の交流を活発化させるように姫路市も動くべきかもしれない。新たに外部から企業を誘致する前にやることはあるだろう。

*参考

発言者は、堀場厚 堀場製作所会長兼社長。2016年7月22日付の毎日新聞の掲載より。

|

« 「猫の草子」を読む~『御伽草子』より | トップページ | 姫路の中央卸売市場の移転は大丈夫か »

姫路と播磨」カテゴリの記事

経営関連」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/99784/64145289

この記事へのトラックバック一覧です: 地元本社企業を大切に:

« 「猫の草子」を読む~『御伽草子』より | トップページ | 姫路の中央卸売市場の移転は大丈夫か »