« シェイクスピアの『ヘンリー六世』を読了 | トップページ | 急激な政策転換の危うさ »

2016年10月18日 (火)

子供との約束~『韓非子』より

一般に、親は子供との約束を軽視しがちだ。よって軽い気持ちで、子供と約束してしまったりする。その結果、約束が守れない状態になる。それに対して、度重なれば、子供は親に対して不信感を持つようになる。子供に限らず、自分より小人(軽く見ている人)に対しては、約束事を軽く考え、後から、強いしっぺ返しを受けたりする。

『韓非子』では、次のような話がある。孔子の弟子である曽子の妻が、市に出かける。そうすると、子供が後を追っかけて泣きじゃくる。妻は、「お前は、家に帰っていなさい。市から帰ったら、豚を殺してお前の好きな料理をしてあげる」と言う。子供は納得して、家に帰る。

妻が市から帰ってくると、曽子は、豚を捕まえて殺そうとした。妻は、それを止めさせ、「子供に言ったのは冗談ですよ」と言うと、彼は、「たとえ相手が子供であっても、冗談なんか言うものではない。子供は、何事も親に頼って覚えていく。だから、親が教えてくれる通りにするものだ。今、子供に嘘をつけば、子供に嘘をつくことを教えることになる。母子の信頼関係が崩れれば、最早、教育を成し遂げることはできない」と言い、そのまま豚を殺し、煮豚にしたという。

『韓非子』の話は、ある程度は歴史的事実に基づくものの、全てが全て事実ではなく、創作がほとんどだろうが、現代人にも多くの示唆がある。実際、小さい約束の積み重ねが信用を生む。できないのなら、本来、約束などをしてはならないということを案外忘れている。小さい約束でも、大切にしたいものだ。

|

« シェイクスピアの『ヘンリー六世』を読了 | トップページ | 急激な政策転換の危うさ »

考え方」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/99784/64364627

この記事へのトラックバック一覧です: 子供との約束~『韓非子』より:

« シェイクスピアの『ヘンリー六世』を読了 | トップページ | 急激な政策転換の危うさ »