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2016年11月26日 (土)

西郷南洲の漢詩 『書懐』を読む その二

引き続き、西郷南洲の漢詩 『書懐』を読む。

青山到る処骨埋むべし

誰か一朝の為に枯栄を卜せんや

男児要する所機先に在り

好(よ)し汝鞭を揚げて試みに行を啓(ひら)け

一葦(い)纔(わずか)に西すれば大陸に通ず

鴨緑送る処崑崙迎う

「世の中には、骨を埋めるところは、至るところにある。誰も、国の盛衰を占うような、つまらないことに時間を掛けて傍観していていいのか。日本男児として生まれたからには、あらゆることを予見し、機敏に行動しなければならない。自ら鞭を揚げて、我が行く道を示せ。一隻の小さい船であっても、西に向かえば、大陸に通ずるのだ。鴨緑江を渡れば、崑崙が迎えてくれる」というような解釈ができる。

西郷が欧米列強から国を守りたい熱い思いが伝わってくる。ただ、彼の死後、この強い思いは違う形で伝搬し、後に大陸への侵略につながっていったのは、彼の本意ではなかったのかもしれない(*注)。

しかしながら、ある意味、西郷の発想は井の中の蛙であったと言える。器の大きかった彼が海外留学をしていれば、違った発想をしていただろうとは多くの人の指摘するところ。残念なことだ。念のために記せば、勝海舟をはじめ旧幕府関係出身者は、西郷のような発想をしていない。

*注

但し、ロシアを強く意識したのかもしれないが、「征韓論」そのものが危うい発想だ。

次回に続く。

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