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2016年11月 7日 (月)

シェイクスピアの『冬物語』を読む

しばらく、シェイクスピアづいているけれど、今回は、『冬物語』(松岡和子訳。ちくま文庫刊)を読んだ。これは彼の晩年の作品。ロマンス劇とも言えるが、悲喜劇を描いたもの。レオンティーズとポリクシニーズは子供の時から親友。レオンティーズはシチリアの王となり、ポリクシニーズはボヘミアの王。そして、それぞれに王妃がおり、愛している。

お互い行き来しているのだが、シチリアに来ているポリクシニーズ王を接待する美人のシチリア王妃のハーマイオニが、あまりに親密に接するので、シチリア王は焼きもちを焼き、ついには嫉妬して不倫を疑う。

そして、終に、ポリクシニーズの暗殺を貴族のカミローに指示するが、カミローはこれを否定、無視し、むしろ危機をポリクシニーズに伝え、共々シチリアを脱出する。これに怒ったレオンティーズ王は、妊娠中のハーマイオニを幽閉する。

このことを悲しんだ王子のマミリアスは亡くなってしまう。ハーマイオニは獄中で王女を出産するが、レオンティーズ王は自分の子供として認めず、捨て子を指示する。これを助けるべく貴族の妻のポーライナは夫のアンティゴナスに託して、船でボヘミアに行く。ハーマイオニも、その後亡くなってしまう(実際は、最終的にどんでん返しがあるが)。

捨てられた王女はハーマイオニにバーディタと名付けられていたが、アンティゴナスは熊に襲われ命を落とす。無事だった王女は、事情を何も知らない羊飼いに拾われ引き取られる。それから16年の時が経つ。

ボヘミアの王子のフロリゼルは、羊飼いの娘として育てられているパーデイタに恋をする。彼女は、とても羊飼いの娘とは感じられない品がある。パーディタは身分違いを懸念するが、そこは若いフロリゼル。押して恋仲になりパーデイタは身籠る。

ボヘミア王はカミローを伴い、変装して、密かに、フロリゼルに会いに行くが、フロリゼルは、父の王に彼女を妻に迎えることを伝えないと言うので、怒る。カミローは、これをシチリア王との会う機会を作れると判断し、ボヘミア王には秘して、フロリゼル、パーディタを王子とその妻として、共に、ボヘミア王の(嘘の)名代として挨拶に行かせる。

話は、これくらいにしておこう。最終的には一応ハッピーエンドだが、シチリア王は、王子のマリミヤスや貴族のアンティゴナスを失っており、王が嫉妬に狂ったことが、多くの人たちを巻き込んで、不幸せな状態に追い込んでいることも確かだ。

シェイクスピアは、この物語で、一体何を伝えようとしたのだろうか。

一、美人の妻は、どんな地位の人も、心配の種になりうる

二、夫婦の愛は脆い。夫婦の信頼関係は大切

三、夫婦はお互い嫉妬されないような気配りが必要

四、日頃の言動、行動が身を守る

五、トップの理性を失った判断ミスは、多くの人の不幸を招く

六、トップの理性を失った判断ミスによる指示を部下は、いかに対応するか

七、貴種流離譚。生まれはどんな環境になっても変えられない。

ぐらいかな。この物語もいろいろ教えてくれる。やはりシェイクスピアは面白い。

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