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2016年11月28日 (月)

若い人の提言意欲を活かすためには~池田光政

新入社員の時、提案制度があると聞き、思い付きを提案書に記して提出した。しばらくしてから、若干の報奨金を付して、回答が返ってきた。この時、嬉しかったことを覚えている。後年、上司から「あの提案は、社内では既に常識で、それほど目新しいことではなかったが、若い人の意欲を引き出すため、提案意欲を削がないように評価した」と聞かされた。

このようなことは、備前岡山の藩主になっていた池田輝政の孫の池田光政も実行している。彼は時代もあり、武人というより経営者の視点のある藩主だった。藩政改革のために熊沢蕃山を招いて産業の育成にも力を入れた。そのため、若い人を含め、多くの知恵を集めた。

彼がある時、夜に、のどが渇いたので、冷えたみかんを食べていたところ、侍医の塩見玄三が、「冷たいものを召し上がっては、身体に毒です。おやめください」と言うので、食べるのを止め、奥に入った。

そして、侍女に言う。「危ないところだった」と。実は、光政も、夜に冷たいものを食してはならないと分かっていたので、「それくらいのことは知っている」と言ってしまいそうであったと。そして、続けて言うには、「そのように玄三に言えば、今後、あやつは気づいても何も言わなくなる。それは他の家臣も見習う。結果的に、どこからも忠言は聞こえてこなくなる。危うい。危うい」と。

彼は次の言葉を遺している。

「わが智に自慢しては、我ほど分別はなきと思い、人の言うことを嫌うは、真の智にあらず」と。下の者の口は封じてはならないと教えてくれる。

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