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2016年11月16日 (水)

発見された「千字文」の木簡

昨年、山口大学の構内の吉田遺跡から出土した奈良時代の木簡の文字が、千字文の一部が書かれていたことが判明したそうだ。木簡は、漢字の発音を万葉仮名で表した音義木簡と呼ばれるものらしい。千字文を書いた音義木簡の発見は国内初。木簡に記されていたものは「雨露□霜金」(□は不明)。

これは千字文の「雲謄致雨」、「露結為霜」、「金生麗水」の一部らしい。ちなみに、「雲謄致雨」と「露結為霜」は対になっており、解釈は、「雲は空に騰って、雨を降らせ、露は凝結して、霜と為る」だ。

「金生麗水」は、「玉出コン(山偏に昆)崗」が対になっており、解釈は「黄金は麗水に産し、玉壁は崑崙山から算出する」となる。麗水、コン崗は共に中国の地名(*注)

「千字文」は、習字の見本にされるが、その意味内容は深く、中国では、子供の教育に使われたらしい。それにしても、奈良時代の日本人が、「千字文」から学んでいたことは興味深い。それほど中国文化の影響が大きかったことが分かる。

*注

解釈は、『千字文』(小川環樹、本田章義注解。岩波文庫)によるもの。この本は、習字の見本ではなく、解釈本。また単に解釈だけにとどまらず、北魏の李暹(りせん)の「千字文注」の口語訳も紹介されており、読み聞かせれば、現代日本でも、子供の教育にも役立つと思う。

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