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2016年12月31日 (土)

一発逆転発想は危ない

野球で、敵に3点リードされていて、九回裏、ツーアウト満塁。アナウンサーは、「ここでホームランが出れば、逆転さよならホームランだ」と当たり前のように言っている。確かに相手のピッチャーも緊張するから失投の可能性も考えられる。バッターの力量によっては、あながちホームランもないでもない。

だが、それはスポーツの世界。ビジネスの世界で、一発逆転の発想は、あまり感心できない。それは買収・合併による事業拡大を目指すものがそれだ。もちろん、すべてのM&Aが悪いわけではない。事業環境、明確な企業戦略、自企業との関連性、企業文化の整合性、業績予測の厳しい査定、正確な財務状況等を十分に勘案すれば、企業として合理的なこともある。

だが、業績が、ここ数年、思わしくないので、一発逆転を狙って投資家からお金を集め、M&Aをして、海外の企業を合併・買収して、机上の計算上の収益を見込んでも、実際は駄目だったという例は極めて多い。

大体、このようなことを考えるのは、サラリーマン経営者の私欲によるものだ。経営立て直しは、根本的な事業のリストラと関連新事業(持っている技術を活かせる分野進出とか、関連分野の拡大等)の創出にあるが、そういうことをせずに短期に成果を上げようと、安易な道を選択してしまうと本体の業績を更に悪化させかねない。

最近では、東芝が、海外の原子力産業を買収して、見事に失敗し、企業の屋台骨さえ危うい状況だ。その他にも、海外企業を買収して、うまく行った例は極めて少ない。現在は表面化していないだけで、いずれ経営の足を引っ張り、経営危機に陥る企業も結構あると読んでいる。

大体、安易なM&Aで成功は覚束ないと思うべきだ。どうしてもというのなら、対象企業を解体して、欲しいところだけを得る努力をすべきだろう。あるいは人材だけをスカウトすればいい。企業を丸呑みしても、最悪「毒」も含まれる。それが命取りになることを考えるべきだ。経営者は一発逆転発想を避けるべきだろう。

*2017年4月26日追記

日本郵政が、2015年に買収したオーストラリアの「トール・ホールディングス」が資源価格下落によるオーストラリア経済の低迷から収益悪化し、「のれん代」として計上している3860億円を全額損失処理する方向で調整している。

全額を計上した場合、民営化以後、赤字転落する。民営化の弊害とも言えるが、拙い経営の結果と言える。経営者は退陣すべきだろう。そもそも海外企業の買収などリスクが大きすぎる。もっと地道な経営をすべきだ。

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