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2017年2月22日 (水)

扇子二本

権力者に阿(おもね)るため、いろんなものが献上される。最近では、高級ゴルフクラブを献上した我が国の首相の例がある。ただ、相手の懐に入りこむため、彼の嗜好を把握し、望みの品を提供するのは、人間関係をよくするためには、ある程度必要だ。しかしながら、高級品であることは必ずしも必要ない。

有名な話に扇子二本を献じたものがある。曲直瀬(まなせ)道三は、戦国時代の有名な医師で、大河ドラマにしていいような人物だが、彼が、織田信長に挨拶に行く。彼は、いろんな武将の診察をしているが、信長の診察もした。

今回は、診察ではなく、挨拶のためであったが、献上したものは、扇子二本だけであった。それに対して、信長の家臣たちは、失礼極まりないと呆れる。御前に居並ぶ人々は、「たった二本の扇子だけとは、なんとも」という風だ。

そこで、それを察して、道三は取り次ぎに次のように言上してくれと言う。「これは、目出たく日本を御手の内に、にぎらせ給うように」と。この洒落っけのある言上を聞いて、家臣たちは、大変感動したという。彼が信長の心の内を十分理解していたからできた贈り物であった。

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