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2017年4月29日 (土)

シェイクスピアの『コリオレイナス』を読了

書店で、シェイクスピアの『コリオレイナス』を手にしたときは、全く知らないので、購入するかどうか迷ったが、思い切って買った。コリオレイナスとは戦争に勝利した功績による称号で、ケイアス・マーシアスのこと。モデルは、古代ローマの将軍だったガイウス・マルキウス・コリオラヌだ。

ローマの軍人であるマーシアスは、勇将で戦争に強いが武骨者。それゆえ、戦争に勝って凱旋するも、誤解されやすい発言をする。穀物が不足気味で、役に立たない貧民に穀物を支給しないと発言して、反発され暴動が起こる。いつの時代も、独りよがりな失言する人はいる。

ただ、貴族側の人々は彼に同情的で執政官にしようとする。だが、暴動を鎮めるために選ばれた護民官が民衆を煽って、対立する。そこに油を注ぐ発言をするマーシアス。最早、誰も彼をかばえない。護民官は、民衆をそそのかし、マーシアスを反逆罪で死刑に追い込む。しかし、今までの功績から、追放ということになる。

これを恨んだ彼は追放先で、かつて敵対していたヴォルサイ人のオーフィディアス将軍を頼り、彼の傘下に入り、ローマへの復讐を試み、着々と攻め入る。ところが、母親や妻に泣きつかれローマを助けてくれと懇願される。止む無く、自分の判断で講和を結ぶが、これにオーフィディアスは裏切りと受け取り、彼を暗殺する。

話は、ここで終わっている。基本的に貴族側と民衆側の対立。戦争が招く民衆の困難、マーシアスと母親との関係、裏切った人間の行く末などを絡めて描かれている。シェイクスピアの作品としては、そんなに有名でもないが、読んでいくと、あのシーザーと重ね合わせるような感じがした。権力者の危うさを描いたものとも取れる。まずまずの作品であろう。

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