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2017年5月21日 (日)

市民を遠ざける共謀罪

当局は、法律を作れば、犯罪を減らせると考える単純脳の人が多いのだろうか。ここで共謀罪の是非を論じる気はないが、一つ問題点を挙げておこう。

かつて祖父は、政治家とは、できるだけ距離を置け、近づくなと遺言した。そして、父は宗教関係者とは適切な距離を置けと言い遺した。そして、現在、言えることは、当局(警察)とは近づくなということになるかもしれない。

もちろん、交通事故や犯罪などでも警察の厄介になることは当然避けるとしても、それ以外での接触についても、共謀罪が成立すれば、極力避けるべしとなるだろう。よくサスペンスドラマでも演じられるように、殺人事件の第一発見者は被疑者になりやすいという。

今までも、その様な事態を想定して、事件や怪しい人物を見ても、警察に通報しない人はいただろうが、今後は、更に警察と距離を置く人が増えるだろう。すなわち、触らぬ神に祟りなし、の思考が働く。

その時、何が起こるか。要するに、法律の趣旨とは違って、捜査を遅らせ、また未然に犯罪を止めることが、むしろ困難になることが想定される。皆が、社会に無関心になるからだ。それが最も恐ろしい。

また、政府は、オリンピック・テロを未然に防止するためと言っていたが、そんなことは、この法律で止められるものではない。前にも記したが、政府関係者が、世界に対してテロを呼び込まない慎重な発言や政治・行政が重要なのだ。あるいは、無暗矢鱈と海外の政治家の意見に同調しないことだろう。

そのようなことを無視して、法律を作ったら、国際的犯罪を防げると考えているのなら甘い。またテロに対して、当局の人員で、十分対応できると思っているのだろうか。机上だけで考えた法律の有効性には疑問が残る。市民を遠ざける共謀罪成立に夢中になった政府の責任は重大だ。

これで、果たして治安が従来のように守られるか不安だ。むしろ、社会は不安定になっていくのではなかろうか。共謀罪だけで、市民の協力なくして、警察力だけで治安が守れるとは決して思わない。市民を遠ざけた代償は大きいと将来、当局は後悔するだろう。

*追記

特定の国やテーマ別の人権状況について事実調査・監視を実施している、プライバシーの権利に関するケナタッチ国連報告書では、日本の共謀罪について、「プライバシーや表現の自由を不当に制約する恐れがある」と懸念を示した。

更に、法案にある「計画」や「準備行為」の定義が曖昧で、恣意的に適用される可能性がある、と指摘している。また、いかなる行為が処罰の対象となるかも明記されておらず、問題があるとしている。

*追記

277の対象犯罪は、あまりにも広すぎるにもかかわらず、政治家関係の犯罪(公選法違反罪や特別背任罪)は除外されている。政治家に都合がよ過ぎないか。裏社会と何かと噂のある政治家が対象外になるとは笑わせる。

*追記

この法律が戦前の治安維持法と似ている点が指摘されているが、政府は、当時と現在は状況が異なるので、あり得ないとしている。しかし、社会状況が変われば、この共謀罪をベースに治安維持法的な法律が将来、作られる可能性は否定できない。若い世代は、強い警戒が必要だろう。マスコミも含めて、いかに当局を監視するかが問われる。

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