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2017年5月 7日 (日)

白髪を嘆く~『万葉集』より

今のところ、白髪は目立つということはない。ただ、耳の周りは、白髪が少し見える。年齢には勝てない。ただ、私より若い人でも、時々、白髪の人がいる。苦労をされた結果であろうか。ある人は、そんな歳ではないのに、一瞬で白髪になられた方もいた。肉体的なものより精神的なものも影響するのだろう。

さて、『万葉集』(*注)にも、白髪を嘆く歌がある。若い人たちに、白髪爺と詰られたのか、若干、自意識が強かった若い時を思い出しながら、白髪を笑われることに反発した歌である。長歌と短歌で構成されている。

長歌の内容は長いので、ここでは、挙げないが、かいつまんで紹介すると、「みどり子の若子髪には」ではじまっている。

内容は、赤ん坊のころから大事に育てられ、あなた様のような若いころには、黒髪がいっぱいで、いろんな髪型にしたり、それに合う服装をしたりして、めかしていたものだ。そうすると、どんな男も足元に及ばなかったものだ。。

いろんな女性からの贈り物を身に着け、自他共に認めるファッショナブルな格好をすれば、春には鳥さえ、鳴いて飛び回るし、秋には、天雲さえも、ゆったり私になびく有様。大路を歩けば、女官も振り向き、噂する。

まるで、我が世の春と思ったことなのに、今では惨めな姿をさらし、あなた様にどのように思われていることか。あなたも歳をとれば、私のようになるのを覚悟しなさい、と言う風な歌だ。

そして、反歌として、二首を挙げる。

 死なばこそ 相見ずあらめ 生きてあらば

  白髪子らに 生ひずあらめやも

「若いまま死んでしまったならば、こんな目に遭わずに済んだであろう。けれども、生きていれば、あなた様にも白髪が生えてこないはずはない」

 白髪し 子らに生ひなば かくのごと

  若けむ子らに 罵らえかねめや

「あなた様にも、白髪が生えて来れば、若い人たちに、罵られずに済むことはないでしよう」

最近は、若い人も、白髪ぐらいでは、高齢者を詰ったりしないだろう。せいぜい、パートナーに、「あなた、歳を取ったねえ」と言われる可能性もあるが、案外、近くにいると気づかないものだ。せいぜい、病気などで寝込んだりすると、改めて指摘されるぐらいかもしれない。

そして、最近は、毛を染められたりしたら、全く分からない。流風は、白髪になっても、染めることはしないだろうから、若い人たちから、からかわれるのだろうか。まあ、誰も気にしないだろうね。多分、白髪を嘆くこともない。

*注

『万葉集』 巻第十六 三七九一~三七九三より

 

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