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2017年6月 9日 (金)

『万葉集』の七夕の歌

まだ時期的に取り上げるのは早い感じもするが、今回は、『万葉集』の七夕の歌を取り上げてみる。『万葉集』には、七夕の歌が130首以上もあるようで、柿本人麻呂の歌が、巻第十に、たくさん収録されている。

但し、今回、取り上げるのは、巻第八にある山上憶良の作品。一五一八番から一五二九番まで十二首収録されているが、当時の別居婚を反映した歌の内容になっている。日頃、会えないため、恋い焦がれる様子を描いている。いくつか取り上げよう。

 天の川 相向き立ちて 我が恋ひし

  君来ますなり 紐解き設(ま)けな

    (一五一八番)

早く共寝がしたい心情をうまく詠んでいる。いつの時代も同じだ。

 風雲は 二つの岸に 通へども

  我が遠妻の 言ぞ通わぬ

    (一五二一蕃)

風や雲は、天の川の両岸を自由に行き来するのに、妻からの便りは一向に何もない。どうしたんだ、という心情かな。

 

 玉かぎる ほのかに見えて 別れなば

 もとなや恋ひむ 逢ふ時までは

    (一五二六番)

再会しても、ほんの少しの時間だけ会って別れてしまえば、かえって、その次にお会いするまで思いは募るという感じかな。

まあ、会えないと、かえって、相手をよく感じるものです(笑)。適切な距離感がいいのかも。現代の恋人たちはいかが。

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