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2017年6月 2日 (金)

チャップリンの映画『独裁者』を鑑賞

世の中には、他人の空似というものがある。私も、現役時代、後輩に、地元に、そっくりな人がいると言われたことがある。最近では、近所のお婆さんに、あなたに似た人に会ったと言われた。でも、あまり、いい気はしない。自分という存在は、自分一人であってほしい。たとえ、似ている人が偉い人であっても。

さて、それはそれとして、先日、チャップリンの映画『独裁者』を観た。原題は、THE GRRAT DICTATOR。1940年制作だ。監督・脚本・主演は、チャールズ・チャップリン。あのヒットラーをからかった作品だ。独裁者の怖さと愚かしさを鋭く描いている。

トメニア国の独裁者は基本的に御都合主義。気分屋でもある。そして忙しい。何もかも決済しなければならないからだ。そして、この映画では、独裁者そっくりの散髪屋が登場するのだ。そして、詳しいことは記さないが、ちょっとしたことで入れ替わる。

本当の独裁者は、かつて次のように語っていた。「基本的人権は認められず。その体制は固められた。民主主義は無用だ。自由は不快だ。言論の自由は必要なし。軍は最強で、現状維持に犠牲は必要だ。ベルトを締めよ。世界平和は願って止まない」と。

ところが入れ替わった散髪屋の親父が独裁者に代わって演説することに。その内容は、是非、映画を観て頂きたい。かなり長演説だが、この映画のテーマであろう。一部を紹介すると、「民衆は権力を取り戻し、自由は再び人々の手に!兵士は良心を失うな!独裁者に惑わされるな!(中略)彼らの言葉を信じるな!彼らには良心も人間性もない!」等々。

こういう映画を見せられると、思うのは日本人は、戦後、基本的人権も、民主主義も、自由も、言論の自由も、占領者に与えられたものだ。自ら勝ち取ったものではないということだ。それゆえ、戦争被害には遭ったが、それらを得る苦労をしていないので、失う危機感が足りない。

どれだけ、基本的人権も、民主主義も、自由も、言論の自由も私たちにとって有り難いものか再確認できる映画だろう。これらは、一度失えば、取り戻すのが、なかなか困難である。この古い映画は、現代日本に警告しているようにも思える。若い方も、是非、ご覧になってほしい。

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