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2017年8月 6日 (日)

幽霊と落語『三年目』

一応、肝試しの季節である。以前にも記したが、子供の頃、夕方、暗くなってから、近くのお墓に行く肝試しがあった。二人ペアになって、お墓に言って指令された物を取ってくるもの。でも、照明もない、真っ暗な、お墓周辺は不気味。幽霊が出ても、おかしくない雰囲気。

ビビりながら恐る恐る行ったものだ。火の玉みたいなものを見れば大騒ぎ。ぶるぶる震えながら物を取って帰途へ。あのハラハラ感は今も忘れられない。一般に、子供の夜の外出は禁止されていたから、稀な外出であったが、夜は出掛けたくないと思ったものだ。

さて、落語にも、幽霊を扱ったものがある。有名なものは『三年目』というもの。仲の良い夫婦が、妻が病に伏し、亡くなる寸前に、夫は「俺は二度と妻を持たない」と約束。男にとって、難しい約束だと思うけれど、気持ちが高揚すれば、そんな安請け合いもしてしまう。

この落語でも、やはり、親類の勧めもあり、止む無く後妻を迎える。でも、夫は、亡き妻との約束を反故にしたので、こわごわだ。亡き妻が、恨み言を言って、幽霊として出てくるはず。そうなれば、後妻は逃げ出すだろうと。ところが、一年経っても、二年経っても出てこない。

もう大丈夫と安心した三年目に、亡き妻の幽霊が現れる。夫が、「三年目の今頃になって、一体どうして、なぜ出てくるのだ」と問い詰めると、幽霊は「入棺の時に髪を剃られてしまったので、その毛が生え揃うのを待っておりました」とオチ。

亡き妻は幽霊になっても、夫一筋のいじらしさ。それに対して、現生の夫は、去った者をすぐ忘れてしまういい加減さ。でも、あまりできない約束はしてはならないという教訓。死ねば終わり。遺された者が何をしようと、それは勝手。そのように割り切った方がいい。

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