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2018年1月 7日 (日)

犬の物語 その三~狂言『犬山伏』より

世の中、偉そうにしている連中がいる。基本的に勘違いしているのだが、そのことが分からない。そういう人たちを批判的に扱ったものに狂言『犬山伏』がある。厳しい修験道をした山伏は、一般人より上位だと錯覚している。その修行者の山伏が、威張っているので、犬を使って、ちょっとした工夫でからかう。

雨が降りそうだったので、傘を持って檀家周りをしている僧が、途中で檀家の茶屋に立ち寄る。そこで、のどかに休憩していると、山伏がやってくる。結構、威張り腐っている。喉が渇いたと茶屋に茶を所望する。

ところが、茶屋が持ってきた茶が熱すぎるとか、ぬるすぎるとか文句たらたら。見かねた僧が茶屋と悪口を言っているのを聞き咎めて、態度が生意気だと絡む始末。ついには、僧に今夜の宿まで、山伏の肩箱を持って行けと命じる。

茶屋は仲裁するが、両者は、お互い、いかに自分が偉いかと騒ぎだす始末。宗教者によくあることだ。僧の方も負けずに反論するが、乱暴な山伏の圧に押され、かないそうにないと判断し逃げ出そうとする。

それを引き留めた茶屋の提案で、ここにいる人食い犬を祈って勝負するように勧める。実は、犬の名前は「トラ」と言い、名前を呼べば、なつくと僧に教える。いよいよ勝負の時、まず僧が文言に「トラ」を入れたものを唱えると、犬は僧に、なつく。

それを知らない山伏は、いろいろ唱えるが、犬はそっぽを向いたまま。挙句の果ては山伏に吠えかかり、ついには追い込んで終演。犬の特性を利用して、因業な山伏を退散させる話になっている。こういう話で溜飲を下げた庶民が目に見える。

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