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2018年1月 8日 (月)

犬の物語 その四~人身御供と犬

昔話に、「人身御供」の話は多く伝わる。「人身御供」というのは、一つの生贄で、それを出せば、村の安寧が得られるというもの。ただ、この「人身御供」の実態は、権力者(あるいは地域の不埒な者)が、娘を差し出せというものだろう。

暴力団が店に対して、「みかじめ料」を要求するのに似ている。出さなければ、商売できなくなるぞと脅す。同様に、「人身御供」を出さないと、村に様々な災難が待ち受けていると脅したのだろう。

姫路市香寺町には次の話が伝わる。香寺町犬飼は、かつて沢村と呼ばれていたそうな。ある時、村の百姓の堤佐助の娘が氏神の人身御供に選ばれる。当然、一家は悲しみ嘆く。たまたま、そこを訪れていた伊勢神宮の御師・芝左太夫は、このことを可哀想に思う。

そこで、愛犬を伴い、娘の身代わりになって、櫃の中に入って氏神のところに行く。そして、その夜、大きな猿が現れる。犬が、この猿に飛びかかると、噛み殺してしまう。そうすると、猿は狸に変わった。

狸の正体は何か。まさか本物の狸ではあるまい。地域の悪者が猿に扮してしたのだろう。それ以後、この村では、人身御供の風習はなくなり、氏神の祭神が伊瀬神宮の内官外宮に改められる。

そして芝左太夫は、そこの神官になったと伝えられる。更に村は犬飼村と呼ばれるようになったという。昔は、神官もいいことをしたようだ。

*追記

人身御供の話は、播磨地区以外でも伝わる。篠山市犬飼の大歳神社にある話。ある年に、村の氏子が行方不明となる。それも一名とか二名ではない。そこで、これは神が怒ったものだと判断し、人身御供をくじで上げることを決める。

くじに当たった家は、悲しみ、何とか、この災難から逃れようと、祈祷をする。そうすると、満願の明け方に、一人の童子が現れる。そして、似たような事例を挙げ、「鎮平犬」という犬が化け物を退治し、厄を逃れたことがあるから、この犬を借りてきて、箱に納めておけ、と伝える。

村人は、この犬を借りてきて、お告げどおり箱に納め、木陰で隠れ刀を持ち待ち構えた。そうすると夜半になって、怪物が現れ、拝殿の供え物に手を掛けようとしたところ、、「鎮平犬」が怪物に噛みつく。村人も、駆けつけ、切りつけ、退治に成功。怪物の正体は、大狸であったとか。

*参考

兵庫県立図書館提供資料

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