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2018年3月 8日 (木)

物に支配されないということ

昔、台湾銀行の課長をしていた小笠原三九郎(1885~1967)という人がいた。後に吉田内閣の時に、通産大臣や大蔵大臣になっている。彼は鈴木商店の破綻処理を担当した。

その時に、「自分には私利私欲が一切ない」と、うそぶく鈴木商店の実質経営者で大番頭の金子直吉に厳しい言葉を投げかけたことは有名。

それが「あなたは所有欲はないかもしれないが、使用欲については天下無類である。今後私欲がないなどと絶対言わせません」だ。これには金子も反論できなかった。

その彼が四つの宝を指摘している。それが、一に健康、二に信仰、三に信用、四に智恵、を挙げている。そして、これらは「自分の注意力と努力」で身に付けるとしている。

よって、「人間、いかに財宝を積み重ねても幸福にはなりえない」としている。仮に、そういう人たちがいても、物に支配されるようになれば、心も物に支配される。

続けて彼は、次のように語る。「人間の幸福は心の持ち方次第で、決して物の持ち方次第によるものではない。自分自身を物の下に置いてはならない。常に物の上に心と身を置いて、それを自由自在に働かせることこそ、本当の生き甲斐というものである」と。

彼の人生観が政治にも活かされた。最近の大臣たちは、このようなことを語るレベルにも達していないように感じる。いや、語れないだけか(笑)。残念ながら、彼らから人生観は聞こえてこない。

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