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2018年8月13日 (月)

落語『稲荷車』について

姫路にも、お城近くで観光人力車が、活躍している。割と利用客がいるので、そういう需要があるのだなあ、と少し感心している。姫路城近くで結婚式を挙げた新婚さんや、旅行者と思われる人々が利用している。暑さ、寒さの中、人力車を曳いていくのは、大変なことだと思うが頑張ってほしいものだ。

さて、落語にも、人力車を扱ったものがある。それが『稲荷車(いなりぐるま)』。時代は、明治の初めごろの東京の話。無尽講(*注)に当たって、御馳走になった男が、夜遅くになったので、上野から王子まで、人力車を使うことに。

目的地の王子は、当時、かなり田舎。ところが、その車夫が大変な臆病者。それを見て、男は、いたずら心を起こして、車夫をからかうことに。というのは、男は、自分は、王子稲荷の使いの狐だと言うと、車夫は、それを信じ込む。

そして、自分の名前と住所を告げ、「ご利益をお授けください。車代などは、お賽銭として奉納します」と言う。そう言って、車代も受け取らず去っていく。男は、これを面白がって、家に帰るが、無尽に当たったお金がないことに気づく。

どうやら車の中に置き忘れたと思うが、ただ乗りしてきたため、取りに行きにくい。それでも、大金なので、翌日になって、車屋を訪ねると、車夫は車の中に大金があったが、これはお稲荷様がお授けになったに違いないと、長屋の連中を集めて、飲めや、食えやの大騒ぎ。

そこへ男が、顔を出し、「王子から参りました」と言うと、「福の神のご入来だ」と言われ、恐縮してしまい、「そんなにされては、穴にでも入りたい」とオチ。

つまり、車夫にネコババされて、男が言ったことが禍になり、逆にからかわれた形に。調子に乗ると、こういうことになる。好事魔多し、とは、まさにこのこと。でも、それが分かっていても、当事者になると、それを忘れるのが人間でもある。

*注

無尽講は、別名、頼母子講。限られた人数で出資し、当たると、資金が給付される。現在の地域金融に近い。商いに役立てるもので、宝くじではない。

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